金利上昇、赤字企業倒産問題

自民党麻生政権のゾンビと化した民主党鳩山政権: 極東ブログ
ざっくりとメモ。
えーと、とりあえず、金利が上昇しないことには、平常運転にならず、いつまでも、円高ーデフレ圧力を受けることは以前説明しました。
ここで、不況のまま金利高がくると、悪い不況だとか、スタグフレーションとかなるので望ましくないという意見がありますが、不毛というのが結論。
全体問題と個別問題は別なので、処置も別なのです。需給ギャップが生じているのが現状です。これを放置するのは、失業問題がより悲惨になりますので、政策としては不可。放置する気なら、ベーシックインカムにまで踏み込むべきというのが、基本的な考えです。需給ギャップ事態は直接的には公共投資で一旦うめるべきです。
さて、金利上昇するとじつはどうも直接的にまずいことがおきるようです。どこが?というと、また金融銀行セクター。まったくもう。最高収入の民間企業なのに、じつは足をひっぱりまくってるのがここになっているのが現在なんですよね。で何が問題かというと、時価会計基準。これがなんかひどいことをやりそうです。もともとの買い入れ時と償還時のときに、利益確定させるモデルだったら問題なかったのですが、昨今の時価会計基準を採用してしまったせいで、国債金利が5%になったら、国債の評価損をしないとダメなシステムになっているようです@@。なんだかなぁ、10年物買うと50%の減価を一旦会計処理としてしないといけないシステムになってたとは。次の年には、5%の利益があがるから、全体通してみるとあまり問題じゃないんですが、金利が急激に上昇するとすごくひどい赤字を計上することが確定的にあきらかのようです。本当に、国際会計基準をとり始めてからの日本の金融セクターの迷走っぷりはすさまじいですな。
対策は単純、時価会計やめろです。これは政策上必須になってきます。そうじゃないと金利上昇で一気にリセッションしてしまうでしょう。きわめて重大なリスクがそこにあります。
んで金利上昇で赤字倒産企業が発生するのは問題じゃないのかについてですが、JALみたいなように、赤字企業を延命させるための行為は無理スジですから、金利上昇するからつぶれるというのなら、仕方ないねというお話です。営業黒字、経常利益が黒字なら、増資なり社債発行しなおすなりして、財務をを立て直して出直してください。金利上昇が全般にかかるのは、個別企業的には、ニュートラルマターです。
さて、需給ギャップについては、金利上昇がコストになるコストプッシュインフレにより、円高から円安方向に切り替わっていきますので、金利上昇することで、需給ギャップのほうは、じょじょに改善されていきます。ただ、短期では、一時ドルキャリーによる投資により円高傾向がおきてしまうので、ここは日銀砲を撃ってしまって、円の増刷体勢に入るのが望ましいのですが、きちんとそれをプレイできるかどうかが問題。
いずれにせよ、金利上昇することで、信用収縮がやや起きてしまいます。が、これは実体経済的にはニュートラル。投資セクターがメインに被害を受ける形です。(株>債券の運用移動ということ)。

整理
金利上昇効果のリスト

  1. 預金者に直接的な利子の供給がはじまり、名目成長がはじまる。
  2. 金利上昇によるコスト増大によるインフレーションの開始
  3. 時価会計基準のままであるなら、金利上昇に応じた赤字の計上
  4. 設備投資資金コストの増大、しかしインフレーションするなら無問題
  5. 赤字で資産を食い潰してた企業は、ネタフリしてられなくなる。
  6. 上によりイノベーションの速度がアップする。
  7. 短期的には円高、長期的には円安方向へ

金利上昇によるインフレ効果のリスト

  1. 価格改定(リプライシング)が始まる。
  2. 名目成長が始まる
  3. 実質金利の低下により、借金が実質上軽くなる。
  4. つまり経常黒字企業であるならば、バランスシートが早い速度で改善する。
  5. 需給ギャップがバランスされるようになります
  6. それにしたがって失業率が改善します
  7. 一時的にはリプライシングが終わるまでは、スタグフレーションと騒ぐ自体が発生するでしょうが、そこは耐えていくところです。
  8. 年金などはインフレーションにより、実質的な目減りを行うべきでしょう。(ベアアップさせないことで、実質給付水準を減らす。)
  9. 高業績企業、分野は、より積極的な経営政策を取れることになります。
  10. 結果として、安定的な雇用の移動が起こり、成長戦略が実施されます。
  11. 給料をさげることができなかったのが、給料を上げないことで、実質的にできるようになり、経営負担が楽になります。