円高問題

本来円高問題なんて生じるはずがない問題。
通貨が高くて困ることは本来はない。
なのに、なぜ問題が生じているかというと、それはタイムスパンの問題だから。
ちょっと脱線すると、サーバー1台で処理できるシステムにユーザーが増えてしまって、追いつかなくなってきた。どうする?2台で処理します。3台で処理します。
そういう対策を取ればいいわけだ。簡単な調整ならすぐやれる。しかし、ソフトを作り直すような抜本的対策を取らないといけないとするとどうなるだろう?すぐにはできなくなってしまう。
おきているのはそれとおなじこと。
年に10%も為替レートが変わってしまうのが問題なのだ。
せっかく設計した新製品がレートが変わったのでぽしゃる。せっかく販路を開拓したのに、大赤字投資になってしまって、どうにもこうにもならなくなる。
そういうことが起きてしまうのが問題なのだ。

現状は、円高が限界水準を越えて進行しているので、日本の労働市場はどうにもならなくなってきた。日本で製造できるもので国際競争力を維持できるものがなくなってきてしまったのだ。
ということで、円高が問題なのだから、円をある程度良い水準に戻すしかない。
そうすることで、物価高が発生してくるし、物価高=インフレが発生することで、落ち着く会社も増えてくるだろう。

円高になったデフレ分給料下げてもいいんだけれども、現実的には、価格の下方硬直性問題。つまり賃金カットされると、たいていの人間は困るのだ。実質購買力が不足してしまって、コシヒカリからアキタコマチに変えるようなことは、簡単なんだけど。
カツカツでやってるところに、明日から1割給料減らすからといわれると、最悪住むところを追い出されてしまう。東京は家賃が高すぎるのだ!!!
だから、インフレを起こして、賃金を現状維持のほうが、まだ生活実態としてはやり過ごしやすい。

国全体がシステムを作り直すには?

基本的に、国がシステムを作り直すには10年単位の仕事が必要だろう。
変な問題が発生ー>問題認知に、2、3年ー>対策の議論に2,3年ー>法律の施行に2、3年ー>実体効果が出てくるのに、2,3年。
結局10年ぐらいかかってしまう。そのスピード感覚が悪いのだという議論は、いつまでも生じるだろうけど、国会が1年単位で仕事しているんだから、それ以上に速くはならない。せいぜい10年が5年になる程度だ。まぁ望み薄。これもシステム的な問題でボトルネックがそこにあるんだというお話し。

つまりは?

つまりは円高も円安もインフレもデフレも為替も5%ぐらいぐらつくと、システムの変更、更新が間に合わず、防衛ラインを突破されて、荒れるということだ。
5%ラインというのなら20年間かけて調整すればよいから、それなりの猶予が取れる。対応する時間があるわけだ。

変動相場制という闇

結論的には変動相場制では、きびしい問題が生じているということ。
とはいえ固定相場の時代にはもう戻れないのだから、レンジ幅を決めて、そこで運用していくのが、まだマシだと思う。
そこに、スペキュレーションの問題が絡むのが厄介だけど。

為替相場介入

さて、円高止めるにはで、円を生産する。ようするにお札を刷るのが一番簡単な方法だ。というか本質的にはこれしかない。どこまで?許容できるインフレが発生するまで。いまどきなら10%のインフレが起きたところで、まだ余裕だろう。5%だとリフレ派の発想だけどね。リフレ派の意見で基本いいんだけど、問題は、自国通貨、円で考えていること。ドルベースで考えるとリフレの5%はまだ弱い。ドルベースの物価指数で5%アップぐらいのインフレが望ましいのだ。逆にいうと円ドルが105円になるなら、インフレ率は0%でもかまわない。
で、為替相場介入だ。単純に現状、ばらまき政策を行わないとするのであれば、もう簡単にやれることは、為替相場の介入しかない。
これは国を売ってるようなものなんだけど、日銀法の問題で、日銀が引き受けられる国債が、このルートしかないみたいなので、このルート使うしかないというひどいお話。

日銀ー国債発行ー国ー相場介入ー他国通貨購入ー他国ー日本市場投資

その上でこれまでの経緯見ると、もうドルは買えないから、堅調に推移している他国通貨を購入して、外国為替準備金でやるしかない。
それでこれで赤字出していると洒落にならんので、赤字にならないように運用するという条件がつくのがまたはがゆいところではある。
ユーロかオーストラリアドルでも買うしかなさげ。

原資はというと、円高阻止が原資だから、90円が100円になるまで、介入ということでよくて、資金は特に必要ではないのが面白いところ。
赤字運用さえしなければ、資金いらずで、円安誘導=国内経済の建て直しができる。
ドルに関して言うと、円安傾向が続いているので、つまり赤字投資になるから、買えないというそれだけのお話。

結論

民主党財務大臣はそうそうにこのルートを使わないと明言しちゃった。
つまりは、当面日本経済はデフレーションに悩むしかない。
円高は止まらず、デフレーションも止まらず。
外国から物とサービスを買ってきて、日本に提供する企業の一人勝ちが続くでしょう。
つまりは、ユニクロニトリの勝ちは保証されている。
反対に、輸出関連企業はまだまだ追い込まれてしまうということ。
どうするのよこれ????