政策失敗の履歴

長期金利グラフ
http://www.iecon.jp/loan/loan_kinri.html
GDPグラフ
http://www.ohmae.biz/koblog/viewpoint/1415.php
この二つ見れば一目瞭然。
1995年からの金融緩和政策が効かなかったということ。
マネタリストの敗北です。

何がまずかったの?というと、金融自由化時代は、高金利のほうが、むしろ投資が集まるので景気がよくなるというパラドックスのせいかな?

国内だけのお話だと、低金利にすると、景気がよくなるんですが、世界全体でいうと、実はそういう風にはならないんです。
つまり、低金利のところでお金を借りて、高金利のところに預けて、そしてまた、満期が来たら、こっちにもってくるという投資、いわゆる外国預金。これが、見た目には効率あがるからなんですね。
実際これは、為替とのトレードオフの関係にあるから、実際、低金利通貨は高くなる傾向になります。そして、高金利通貨は安くなる方向になります。
総合していうと、これがバランスされることになるので、低金利政策は自国通貨を高くする政策なのです。自国通貨を高くする政策は、必然的にデフレーション政策を意味しますから、もろに日本はこれにはまったのです。

これがいわゆる、円キャリードルキャリーの副次効果です。
ですので、現実的に、円を高金利の外国に投資したのに、儲けはほとんどでなかったはずです。なぜなら、為替でその分バランスされたはずだからです。

えええっ???よくわからないぞ?普通反対じゃないのか?
と思うのももっともなのだけれど、トレードというのは、どちらも合意して行うものなので、円を借りて、オーストラリアに預ける。という行為を行う人の反対には、オーストラリアでお金を借りて、円を預けるという人が必ずいるのです。そして、それが全体的にはバランスされるのが、世界経済なのです。

例) 円で100万円 1%金利で借りる。
オーストラリアドル100円でスタート。
1年間あずけると、オーストラリアでは、1万ドル 金利5%。
1年後の為替はというと??
同じ為替レートだったとします。
そうすると、100万円投資して、105万円帰ってきて、金利1%払うから、4万円儲かるはず。
こういう想定でみんな動くのです。
実際はどうなるの?というと、実際は、
例えば、1年後の為替相場が、1ドル98円になるのですw。
これで、105万円返って来る予定なのが、103万円しか帰ってこないで、そこから金利の1万円引かれると、実際は、2万円の儲けになるんです。
まぁ、上のは例なのですが、実際、世界経済レベルで先物だ、オプションだという世界でやってると、その金利差によって為替レートに圧力がかかるということがわかります。

結論は、金利さげると、通貨は高い方向にいくというのが上の証明でわかりますか?そうじゃないとすると、上のトレードを受ける人がいないのですよ。
トレードは相場、ディーリングなので、受ける人がいないトレードは、実行されません。おかしい話になるんです。

実際は、多数のプレイヤーが一部のトレードアクションを取っているだけなので、きれいに対称になっているわけじゃないのですが、必ずそういう圧力がかかるんです。

ということで、国際金利の差により、通貨の将来の為替レートに対して圧力がかかることを説明しました。

なぜこんなに90円とかいっちゃうの?というと、つまりは、金利が低いせいなのです。金利が低いから、円を借りて、どこかに投資して、そのせいで、為替レートが高いほうに引っ張られていっているんです。

この経済学教科書の正反対の記述をするような人間ってのは、多分私ぐらいのような気がしますが、なぜ、これで、日本がデフレになったかがよくわかるでしょう。外国に投資が逃げる理由もわかるでしょう。低金利政策のせいです。
マネタリストの大間違いの罠です。

世界中が同じ金利なら、金利下げると景気はあがるでしょう。それから国際決済通貨として機能している米ドルなら、金利さげるとインフレーションになるでしょう。ところが、日本のような非決済通貨だと、金利下げは、デフレーションの準備になっちゃうんです。

それでも「国債が一番という現実」。
そしてこれがまたやっかいな話になるのですが、外国預金やった人は全部為替レートでもってかれてます。金利が余計つくはずなのに、あっちはインフレ、こっちはデフレなので、どんどん為替レートで調整されちゃって、名目上も実質上も稼げないのです。これだから、ロックフェラーセンター買ったはずなのに、大赤字で手放すハメになるんです。

なんで??円が強いからです。
たかだか1%−2%の円国債が一番稼げるのです。ふざけてますね。
この現実がある以上、この枠組みフレームはなかなか壊れないのです。

そして、このフレームが壊れない限り、円高デフレはいきつくところまでいっちゃうしかないんです。日本の人間の8割が働かなくても生きていける世界が近づいてます。
働かなくても??いぇす。みんな生活保護で生きる世界です。
働きたくても仕事ないんだからしゃーないんです。
お金は、他国に貸したお金の金利で暮らせるんです。
日本全国ニート生活ばんざーい。

そう割り切ってこういう運営しているなら、まさに神運営なのですが、現実には、社会福祉がダメすぎて、上のように日本人全員がハッピーなわけじゃなくて、お金持ちと老人がハッピーになっているだけですね。
ここで、大問題が発生していて、若者は結婚しようにも月20万円さえ稼ぐことができなくて、馬鹿みたいな社会福祉費用で、大半の給料もってかれるわけです。だからこそ、政策がおかしいという議論が必要なわけです。