サルでもわかる経済学のアホさかげん

これがTwitter界隈で、話題になって絶賛されていた日銀の論文。
http://www.boj.or.jp/en/type/ronbun/ron/wps/data/wp05e08.pdf
これを見て一瞬でシステム屋はモデルとしてダメだねと烙印を押すんです。
なぜ?国際関係項の分析がないから。
つまり、日本国内の閉じたモデルで分析していて、為替とか他の国の金利動向とかそういうものがモデリングされていないと見るわけです。
こんなものいくらモデリングしたところで、正しい結果を出すわけがないんです。学問としては成立しているけど、まぁギャグだね。
だから、流動性の罠にはまって、そのままどぼんとデフレの渦です。

大体いまどきは、全部離散(コンピュータ)シミュレーションでしょ。
本気でやるなら、それしかない。
天気予報だってスパコンでやってるわけです。シミュレーションでさ。
いくら難しい偏微分方程式立てたところで、解けなきゃ意味がない。
そして、解けないんです。
なぜ?理由はシンプルで、ある程度複雑な計算モデルは、カオス理論にはいってしまって、線形性とかが失われるから。それが現代の常識。
カオス理論からいうと、線形性が失われるので、極短い部分に対する系の反応というのは、判断できるんだけれど、そしてそれをアジャストしていくことは可能なんだけれど、すごく長い時間に伸ばしていったときに、安定解を持つかどうかが、これがわからないんです。
経済は、かなりの程度の複雑系なので、安定解があると思うほうがキチガイだし、間違っているんです。
ここがなぁ、わかってないのに、分析しているつもりってのは終わってるね。

そして現実を放り投げて、上のモデルをいじくりまわして経済政策決定してたら、もうギャグでしかない。

えっ?おまえ、全部シミュレーションでやれというのか?
ほぼイェス。予想つけろというのなら、経済運営は、ファンドをしのぐ以上の計算速度で、正しく、未来を認識するような経済モデルのプレイヤーを多数備えて、その上で各方針を採ったときに、他の投資、行動方針が変わるポイントをきちんと踏まえた上でやらないと、おかしいんです。
それができてないモデルでいくらひねくり回しても現実から遊離するだけですよ。盛大なるギャグですな。

うーんとゲーム理論的なお話をすると、プレイヤーの最善の行動というのを、自身の情報だけで判断してやっていく。
これが閉じたモデルの導きだす答えなんです。
そうすると、競合プレイヤーが同じ程度賢いと、いわゆる囚人のジレンマが発生するんです。
つまり、結論的には、最善の行動とると間違いになってしまって、馬鹿な活動しているほうがマシになるんですねw。
これを、雀鬼桜井章一的な言い方すると、公と私の判断というのかな。
まぁ、ちょっとややこしいんだけれども、日銀が日銀のプレイを最適に進めると、国のためにならない。こういう結論。トヨタトヨタの利益を追求していくと、日本のためにならない。こういう結論。大蔵省が、大蔵省の利益を追求していくと、日本のためにならないんです。
で、上の論文。つまり国内を分析しているつもりになっている。
んだけれども、場全体を見ていないわけです。国際貿易全体を見通した上での、国内経済をどうやっていくかの目的設定ができていないんです。
麻雀でいうところの、自分の手だけみて、最善の最速の打ち方をやってるようなもの。おい、そこで白捨てたら、相手大三元確定じゃないか。やめろー。
こういううち方しちゃうわけです。
つまり、全体を見ていくと、どうしても自分が死ぬしかない状況ってのがでてくるんです。割と日本はそういう意味では、アメリカに対してそういう奉仕活動していたわけだけれど、もう無理でしょっていう限界に達しているわけで、それなのに、まだ国内モデルみてる。んで、そこでは国際関係項がはいっていない。ギャグです。大笑いです。
これが学問?解くべき問題間違えてますね。単なるギャグです。